今日の某B様 |
ん・・・?
7時半・・・?
折しも今日は土曜日
我々のような飲食店系サービス業には
何万回も言っているが半端じゃなく地獄な日である
その地獄な時間は6時から10時にかけ、
およそ4時間ほど展開される
世間で言うゴールデンタイムというモノだ
うつろな目で枕元の時計をまた見直す
7時25分
これはおかしいと思ってケータイを取り出す
19時25分
液晶の下に置いてある電波時計を確認しても7時25分であった
これはおかしい
何がおかしいんだ
確か今日は6時出勤のはずである
だが時計は7時26分になろうとしている
僕がこの「完璧に遅刻だ」という事実に気づくまで15秒ほどの時間を要した
CMを見ている時の無意味な15秒とはまるで違う
激しい濃さを持つ15秒であった
そう
盛大な遅刻だ
現在その差は1時間半
僕は慌てた
慌ててケータイから職場に電話を掛け
店長に代わって貰い
「本当に申し訳ありません!!!!寝坊しました!!!!!!!!」
と正直に叫んだ
自分でも正直何が何だか分からなかった
だが実際本当に寝坊したのだ
言い訳はすまい
素直に打ち明けるしか無かった
3時から4時半頃まで軽く1時間半くらい昼寝すっぺかと思ったら爆睡
時間にして4時間半も経過していた事になる
そういえば昼飯も食ってなかったので極限状態まで腹を空かせ出勤
いつも出勤前に風呂に入るのだが今日はそんな余裕なんか無かった
午後7時49分
職場に到着
洗い場では副店長が一人で汗をかきかきひたすらこなしている姿がある
僕は副店長に土下座する勢いで謝った後、迷う事無く店長の元へ向かう
『本当にすいませんっしたぁ!!!!!』
僕の顔を見て少し考えた後、店長は言う
「某B君、ヘッドホンよりも5万の目覚まし時計を買った方が良いんじゃないか?」
僕は笑った
笑うしかなかった
前店長もユーモラスに溢れ死ぬほど良い人だったが、
現店長も負けず劣らずユーモラスに溢れ負けず劣らず良い人だ
僕はこの人の下で働けて本当に良かったなあって思った